某デパートで、カード会員の獲得業務に携わっていたときの話です。その店舗に配属されていたスタッフが総じて愛想がよいということで、店舗の店長がカードの受付ブースの脇に、季節のおすすめ品やタヒボ茶の効果を説明する展示するディスプレイを設置しました。目的は、おすすめ品の宣伝です。同時に、見込み客と会話がしやすい状況になるだろうという思惑もあり、商品の宣伝をする傍ら、カードの宣伝も行っていました。デマンドジェネレーションを狙ったわけです。

当初は、お客様からの評判がよく、カードの獲得数も順調に推移しました。しかし、半年ほど続けていくうちに、獲得数が微減していることが判明します。人によっては、おすすめの品について相談を持ちかけられたり、セットで買うとよい商品を質問されたりしていました。場合によっては、30分以上、会話に付き合わされてしまうこともあり、トータルではカード獲得にとってマイナスとなりました。

営業の仕事では、まずはお客様の懐に入り込むことが大切です。なのですが、全体としては導線が悪かったために、この施策は失敗に終わりました。現在は、ディスプレイを撤去しています。単に見込み客を集客するだけでなく、どう集客するかも重要なのだと思いました。カード会員になっていただきたいのに、おすすめの商品で客引きをしても関連性がなく、獲得率は低かったです。